基礎化粧品の人気成分のトレンド、年代別エイジングケアのヒントと選び方

基礎化粧品有効成分の人気トレンド スキンケア

多くの女性が自分に合った化粧品の選定に悩み、迷っています。女性が化粧やスキンケアをする際の思考や願望は、個人差があるものの、年齢と共に変化する方向性は一定のトレンドがあります。各年代における化粧品の嗜好や選択基準とその理由を知ることは、多くの女性に参考になると思われいます。あわせて、基礎化粧品の分類ら人気の成分のトレンドを知ることが、ご自身の化粧品選びのご参考になるなら、と記事にまとめてみました。

目次

20代~50代の年代別・スキンケアの特徴とポイント

年代別のスキンケアのポイントを、その年代の思考・願望に基づく行動の特徴、重視されるスキンケアに焦点をあてて説明します。

20代のスキンケア:自分らしさと健康的な肌の維持

20代の思考・願望

20代の女性は肌のターンオーバーが活発で、肌が比較的健康で若々しいため、化粧やスキンケアは「楽しむ」ことが主な目的です。
ナチュラルな透明感のある肌や、トレンドに合わせたメイクをしたいという思いが強く、「自分らしさ」を表現する手段として化粧を楽しむ傾向があります。同時に、乾燥やニキビといった肌トラブルを予防し、健やかな肌を維持することも意識されています。

20代の行動の特徴

カラーメイクやリップ、アイシャドウなどのポイントメイクに興味を持つ一方で、基本的なスキンケアも取り入れて、乾燥対策や肌の保湿に力を入れます。高価な製品よりも、コスパが良く、気軽に試せるものが好まれます。

20代が重視するスキンケアのポイント

・保湿効果
20代は肌のターンオーバーが活発で比較的トラブルが少ないですが、乾燥や日常のストレスが原因で肌荒れが起こりやすい時期です。そのため、まず肌の基礎を整える保湿効果が重視されます。
・使用感・テクスチャー
20代の女性は使い心地の良い、軽いテクスチャーやすばやく馴染む使用感を好む傾向があります。スキンケアの時間を短縮し、快適な使用感を求めることが多いためです。
・コスパ
学生や社会人になりたての時期で、まだ経済的に余裕が少ない場合が多いため、コストパフォーマンスの良い製品を求めます。
・成分の安全性
肌への負担を避けたいと考える20代は、敏感肌やオーガニック系の製品を選ぶ傾向が強いです。若い時期から肌に優しい成分を使いたいという意識があります。
・香り
香りが心地よいか、無香料かどうかも重視されます。リラックスできるスキンケアを求めることが多いためです。

30代のスキンケア:肌の変化に対する予防とケア

30代の思考・願望

30代になると、徐々に肌のハリが失われたり、小じわやくすみが気になり始めます。このため、若々しい肌をできるだけ長く保ちたいという「予防」の意識が強くなります。
忙しいライフスタイル(仕事、家庭、子育てなど)を送りながらも、自分の美しさを保つためのスキンケアに力を入れるようになります。
シンプルで効果的、かつ即効性のある製品を求める傾向が強くなります。

30代の行動の特徴

エイジングケアの入り口として、保湿や美白効果のある美容液やクリームに注目します。早いうちに対策を始めておくことで、後々の肌トラブルを防ごうとする考えが根付いています。
また、メイクにおいても、仕事に適したナチュラルで上品なメイクを求め、実用的な製品を選びがちです。

30代が重視するスキンケアのポイント

・エイジングケア効果
30代になると肌の変化が少しずつ現れ始めます。小じわやハリの低下が気になり始めるため、エイジングケア製品が重視されます。特に「予防」の観点で早めの対策を取る人が増えます。
・保湿効果
肌の乾燥が進みやすい30代は、引き続き保湿が重要です。特に長時間潤いが持続するかどうかが選定基準となります。
・成分の安全性
忙しい生活やストレス、ホルモンバランスの変化などで肌が敏感になる場合があるため、低刺激の成分が好まれます。
・浸透力
忙しい毎日でも効果を実感できるように、肌に素早く浸透する製品が選ばれます。手軽に使えることが求められるからです。
・ブランドイメージ
30代になると、信頼できるブランドや自分のライフスタイルに合ったブランドを選びたいと考える傾向が強まります。

40代のスキンケア:エイジングサインへの具体的な対策

40代の思考・願望

40代では、シワ、たるみ、シミなど、肌のエイジングサインが顕著に現れてくるため、それに対する「本格的な対策」が重要になってきます。
「若々しく見られたい」という願望が強まり、エイジングケアの効果を実感できるスキンケア製品や化粧品が求められます。また、自分に似合うメイクを見つけ、自然でありながら洗練された印象を与えることが重視されます。
「自分に投資する」という意識が高まり、より高品質な製品を選ぶようになります。

40代の行動の特徴

シワやたるみに特化した美容液、リフトアップ効果のあるクリーム、シミやくすみを改善する美白化粧品など、ターゲットを絞ったスキンケアを積極的に行います。
メイクでは、肌のカバー力があるファンデーションや、落ち着いた色味のアイテムを使用し、品のある美しさを表現することが好まれます。

40代が重視するスキンケアのポイント

・リフトアップ・ハリ効果
40代になると肌のたるみやハリの低下が顕著になり、これらを改善するための製品が重要視されます。シワやたるみにアプローチすることが、若々しさを保つためのポイントになります。
・シミ・くすみ対策
長年の紫外線や生活習慣によって現れるシミやくすみを改善したいと考える女性が増えるため、美白や透明感を引き出す成分が含まれた製品が人気です。
・エイジングケア効果
30代以上にエイジングケアに対する意識が高まり、効果が期待できる成分(レチノール、ペプチドなど)が入った製品が選ばれます。
・保湿力
肌の乾燥が顕著になりがちな40代は、しっかりと保湿力のある製品が求められます。特に夜間の保湿を重視する人が多いです。
成分の安全性と持続性
長期間使用できるか、敏感肌にも適応できるかなど、肌に負担をかけない製品が選ばれます。肌トラブルを避けながら、効果が持続することが求められます。

50代のスキンケア:ナチュラルで健康的な美しさの維持

50代の思考・願望

50代になると、さらに肌のたるみやシワ、ハリ不足などが進行しやすくなります。そのため、スキンケアやメイクは「老化の進行を抑え、自然な美しさを保ちたい」という思いが中心となります。
無理に若く見せようとするのではなく、健康的で自然な美しさを引き出すことに重点が置かれます。肌そのものの質を高め、輝きやハリを取り戻すための努力を惜しまない人が多くなります。
また、信頼できるブランドや、成分にこだわった製品を選ぶ意識が強まります。

50代の行動の特徴

高い保湿力とリフトアップ効果を備えたスキンケア製品、特にプレミアムラインやクリニック提携のアイテムを選ぶことが多くなります。質の高い成分や、肌への優しさに配慮した製品が好まれます。
メイクでは、自然なツヤ感や健康的な血色を演出するアイテムを選び、過剰なメイクを避けつつも、自分の肌に合ったスタイルを探求します。
50代になると、シワやたるみ、シミ、くすみなど複数の肌悩みが現れるため、総合的なエイジングケア効果を求める人が多くなります。

50代が重視するスキンケアのポイント

・ハリ・弾力アップ
肌のたるみや弾力の低下が特に気になる年代です。リフトアップ効果が期待できる製品が好まれます。
・高保湿・栄養補給
加齢による乾燥を防ぎ、栄養をしっかりと補給できる製品が求められます。特に濃厚なクリームやセラムが人気です。
・成分の信頼性
50代になると長く使い続けられる信頼性の高い成分やブランドが重視されます。肌への負担を避け、安心して使用できることが求められます。
・ブランド価値・高級感
年齢を重ねたことで、スキンケアに対する投資意識が高まり、高級感やブランド価値のある製品を選ぶ傾向があります。自分へのご褒美としての高級感が重視されることも理由の一つです。
各年代の嗜好は、肌の状態や生活習慣、ライフステージに応じたニーズを反映した結果として、それぞれのランキングに基づいています。

基礎化粧品の分類

基礎化粧品は、肌を健やかに保ち、メイクの土台となるスキンケアを目的とした製品で、大まかに分類しても下記の10種類に分類できます。10分類のそれぞれは、スキンケアのステップに応じて使用され、目的や効果が異なります。この分類を複数またぐ使用目的のアイテムもありますし、すべてを自身で使う方は少ないと思われますが、新たに追加を検討する際のヒントになれば幸いです。

1. クレンジング

種類: クレンジングオイル、クレンジングバーム、クレンジングジェル、クレンジングクリーム、クレンジングウォーター
目的: メイクや肌の汚れを落とすために使用。メイクのタイプや肌質に合わせた選択が重要です。

2. 洗顔料

種類: フォーム(泡タイプ)、ジェル、クリーム、固形石鹸、パウダー
目的: 肌の余分な皮脂や汚れを取り除き、清潔に保つために使用されます。クレンジング後の肌を整える役割もあります。

3. 化粧水(トナー)

種類: 保湿タイプ、さっぱりタイプ、収れん化粧水、美白化粧水
目的: 肌に水分を補給し、次に使う美容液やクリームの浸透を助けるための基礎となります。肌タイプ(乾燥肌、脂性肌、敏感肌など)に応じた選択が重要です。

4. 美容液(セラム)

種類: 保湿美容液、美白美容液、エイジングケア美容液、ハリ・弾力アップ美容液
目的: 肌の悩みに特化した成分(ビタミンC、ヒアルロン酸、コラーゲンなど)を含み、特定の肌トラブル(シミ、シワ、乾燥など)にアプローチします。

5. 乳液

種類: 保湿タイプ、さっぱりタイプ、美白タイプ、エイジングケアタイプ
目的: 肌に油分と水分を補給し、バリア機能をサポートすることで、化粧水や美容液の効果を閉じ込めます。

6. クリーム

種類: 保湿クリーム、リフティングクリーム、美白クリーム、ナイトクリーム
目的: 最後のステップとして、肌に保湿成分や美容成分を閉じ込め、保護する役割を果たします。季節や肌状態に応じて使い分けられます。

7. アイケア

種類: アイクリーム、アイセラム、アイジェル
目的: 目元のシワ、たるみ、クマなどに特化したケアを行い、繊細な目元の肌を保護・保湿します。

8. パック・マスク

種類: シートマスク、クリームマスク、クレイマスク、ジェルマスク、ピールオフマスク
目的: 集中的に肌をケアするために使用され、保湿、美白、リフトアップ、毛穴ケアなど多様なタイプがあります。

9. 日焼け止め(サンスクリーン)

種類: 乳液タイプ、クリームタイプ、ジェルタイプ、スプレータイプ
目的: 紫外線から肌を保護し、日焼けやシミ、エイジングの進行を防ぐために使用されます。SPFやPA値に応じた選択が重要です。

10. ミスト・ブースター

種類: 化粧水ミスト、ブースターセラム、オイルミスト
目的: 化粧水の前やメイクの上から使用し、肌に素早く水分を補給したり、美容成分を浸透しやすくするための補助的なアイテムです。
このように基礎化粧品は、肌のクレンジング、保湿、栄養補給、保護といった一連のケアに対応した製品が多数あります。ユーザーの肌質や悩みに合わせて適切なアイテムを選ぶことが重要です。

エイジングケアにおける人気成分のトレンド推移

肌のエイジングケア、美白、しわ改善の分野で現在流行っている美容成分は以下の通りです。さらに、最近10年間のトレンドの流れについても解説します。

現在流行している美容成分

レチノール(ビタミンA誘導体)

エイジングケアとしわ改善に効果的な成分で、コラーゲンの生成を促進し、肌のターンオーバーを高めます。

ビタミンC誘導体

美白効果があり、シミや色素沈着を防ぎ、肌のトーンを均一にします。抗酸化作用もあるため、紫外線や環境ダメージから肌を保護します。

ナイアシンアミド(ビタミンB3)

2020年ごろに、厚生労働省が「しわ改善」効果について有効成分として新たに承認したことで、大流行した成分で、現在も多くの商品が投入されています。しわ改善のほか、美白やハリなど幅広いエイジングケア効果があるとされ、炎症の軽減やバリア機能の強化にも寄与します。


ペプチド

コラーゲンやエラスチンの生成を促進し、肌の弾力を向上させる成分。特に、しわの改善や肌のたるみ防止に注目されています。

セラミド

肌の保湿効果とバリア機能を強化する成分で、乾燥肌やエイジングサインを防ぐために使用されます。

ヒアルロン酸

肌の保湿としわ改善に広く用いられる成分で、肌をふっくらさせて潤いを保ちます。

トラネキサム酸

美白成分として、シミやそばかすを防ぐ効果があり、メラニンの生成を抑制します。


シワを改善する有効成分(厚生労働省)一覧

ニールワン

シワ部分の真皮成分分解を抑制し、シワを改善します。
ポーラが開発、日本で初めてシワ改善効果を承認されました。比較的高価です。

 

純粋レチノール

資生堂が開発し、有効成分として承認を不足としました。「エリクシール」が大ヒットしたことでよく知られます。
ハリを支えるコラーゲン、ヒアルロン酸の産生を促進し、シワを改善します。
「レチノール」には、「純粋レチノール」と「レチノール誘導体」があります。 レチノール誘導体とはレチノールに別の物質をくっつけて安定化させたもの。 肌の中に入ると分解されてレチノールに変化します。 肌への作用メカニズムは同じですが、純粋レチノールの方が効果が速く、レチノール誘導体は作用が穏やかという特徴があります。ターンオーバー促進効果もあります。ただし、赤み、皮むけなどのリスクもあるとされます。純粋レチノールの方が、高価になる傾向あります。

 

ナイアシンアミド

上記に記載したとおり、幅広い効果があります。シワ改善化粧品が最も多く、保湿・ターンオーバー促進、シミ予防効果や肌荒れ予防効果もあります。
比較的廉価ですが、配合割合によって、価格には幅があります。
サプリメントも多用されており、美容だけでなく、健康促進のために飲用する方もあります。

 

ライスパワーNo.11+

シワの原因となる基底膜の分解を抑制し、シワを改善し、同時に肌の水分保持機能も改善します。
まだ配合されている化粧品が少ないようです。

VEP-M

メナードが開発した成分で、ハリを支えるセラミドやヒアルロン酸を生み出し、シワを改善します。
専門店でしか購入できない、高価な商品。

シワ改善の有効成分を一定量以上配合した化粧品(医薬部外品・薬用化粧品)は、全成分表示に「有効成分」の欄があり、そこに紹介した5つの成分のいずれかが記載されています。

最近10年間のトレンドの流れ

2010年代前半: アンチエイジング成分の浸透

レチノールやペプチドがアンチエイジングケアの中心となり、エラスチンやコラーゲンの生成を促進する製品が多く登場しました。

2010年代後半: ビタミンCと美白ブーム

ビタミンC誘導体やトラネキサム酸が美白成分として注目され、紫外線対策と共にシミや色素沈着のケアがトレンドとなりました。また、ナイアシンアミドがエイジングケアと美白効果の両方に有効であることが知られ始め、人気が高まりました。

2020年代前半: 保湿とバリア機能強化の重要性

セラミドやヒアルロン酸を含む成分が、保湿とバリア機能の強化に注目され、敏感肌や乾燥肌に特化した製品が増加しました。スキンバリアを強化することで、外部ストレスから肌を守りながら、長期的なエイジングケアを行うアプローチが主流となりました。

2020年代中盤: ナイアシンアミドの急速な普及

ナイアシンアミドが多機能成分として、美白、しわ改善、抗炎症効果など広範囲の効果を持つ成分として市場で人気を集めています。
さらに、クリーンビューティーやサステナビリティのトレンドも相まって、肌にやさしい成分としての評価が高まっています。
ナイアシンアミドの配合量を知りたい!?シワ・美白化粧品・医薬部外品の失敗しない選び方

現在のトレンドは、単にエイジングケアや美白だけでなく、肌の保護と全体的な健康を重視する方向にシフトしており、成分選びもマルチファンクションであることが求められています。そんな傾向から注目されているのは、下記のヒト幹細胞培養液です。

2020年ごろヒト幹細胞培養液

ヒト幹細胞培養液は、エイジングケアや再生医療の分野で研究がすすみ、2010年代後半から、スキンケアの分野でも注目されるようになりました。肌の細胞を再生させる力を持つ成長因子(グロースファクター)やサイトカインなどの有効成分が含まれており、以下のような効果が期待されています。

ヒト幹細胞培養液の効果

肌の再生促進

成長因子がコラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌の弾力やハリを向上させ、しわやたるみを改善します。

ダメージの修復

肌の修復力を高め、紫外線ダメージや加齢による損傷を軽減する効果があります。また、肌のターンオーバーを促進し、健康的で若々しい肌に導きます。

保湿とバリア機能の強化

肌のバリア機能を高める成分も含まれており、乾燥肌の改善や外的ストレスからの保護に役立ちます。

最近のトレンドとヒト幹細胞培養液

近年、ヒト幹細胞培養液はスキンケアの高級ラインで広く採用されており、特にエイジングケア製品として人気があります。
科学技術の進歩により、ヒト由来の幹細胞培養液が化粧品に取り入れられるようになり、その効果が期待されています。
ただ、効果が出るまでには最低でも28日~40日程度の継続使用が必要で、原因の根本へのアプローチのため時間がかかる場合があります。
そのため、他の成分との組み合わせになっている商品が大半です。例えば、上記のナイアシンアミドやセラミドなどを同時配合することで、
保湿効果などは、即効性を感じながら、「肌の再生(しわ改善、ハリや美白)」をじっくり待つイメージです。
ヒト幹細胞培養液+ナイアシンアミド+フラーレンの大ヒット商品

エイジングケアや美白、美肌の最新トレンドとして非常に人気が高く、高い効果が期待できる成分ですが、慎重に選ぶことが大切です。

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