コロナ禍のマスク着用が習慣化する生活は肌荒れやシワを増やすとされ、化粧品各社は「シワ改善」商品の販売に躍起ですね。メーカーの競争はユーザーにとっては、良品の開発やコストダウンなど良い面もある一方で、紛らわしい広告や親切とは思えない販売手法が依然と存在しますので、商品選択は慎重にしたいところです。実際、各社は「業界初」などの売り文句で、「ビタミンPP」や「Dリンクルアミド」、あるいはリンクルナイアシンなどの成分をアピールしていますが、実際にはこれらは同一成分で「ナイアシンアミド」なのです。この記事では、「シワ改善」成分についての種類の確認、問題のある広告の実例、「初回限定」「お試し」などの販売手法の注意点をお知らせし、商品選択のお役に立ちたいと思います。
【ナイアシンアミド配合】オールインワンジェル『シンピスト』
目次
ナイアシンアミド化粧品の選び方ポイント
ポイントは、高いモノを買わないことです。
シワ改善のクリームで、ナイアシンアミドを配合している商品は急激に増えていて、価格差が大きくなっています。
いきなり高価な買い物は、コスパ面で後悔する可能性を感じます。(申し訳ありませんが、私見です。)
ナイアシンアミドは、厚生労働省が「シワ改善」の有効成分として承認しています。
シワを改善する成分は、他にもあります(*後述します。)が、他の厚生労働省の承認成分と比較すると廉価(≒安い、高価でない)であるようです。
このことは、ユーザーだけでなく、メーカーにとっても好都合で、数多くの商品が販売され価格帯も非常に幅広くなってきています。
多くの商品を調べてみましたが、ナイアシンアミドの配合量については、記載義務がないようで、大半の商品に配合量は記載されていません。
他の成分のコストも関係するため、一概に高い、安いは言えないものの、配合量が明示されないのに、価格のだが大きいのは、素人にとっては、不安ですよね。
だから、はじめてナイアシンアミド化粧品を試すなら、なるべく廉価で、他の成分がすくないシンプルなもので試してみることで、
自身とナイアシンアミドの相性が判るのではないでしょうか?
シワを改善する成分について
現在、広告で「シワ改善」をPRするためには、その効果・効能の「うらづけ」、エビデンスが必要です。また、「肌にあう、あわない」の問題もあって、効果には当然に個人差もありますが、効果のうらづけがはっきりしないものが、乱売されることは、行政と化粧品業界が管理・規制しています。その「うらづけ、エビデンス」として最もインパクトがあり、安全性も高いと思われるのが、厚生労働省が承認した成分です。
厚生労働省が承認したシワ改善成分は3つ「ニールワン」・「純粋レチノール」・「ナイアシンアミド」
厚生労働省はこの3つの成分しか承認していません。厚生労働省の承認は、非常にハードルが高く、海外で特許のある成分でも日本における効果検証試験や実績が十分でないと承認されません。それだけに承認された成分については、国内での効果や安全性についての実績は十分と考えられます。ただし、必ず効果があるとは言えません。それは、医薬品で例えると、頭痛薬はすべての頭痛に効果を発揮するわけではないことと同様です。
「ニールワン」、「純粋レチノール」が非常に高価であるのに対し、ナイアシンアアミドは比較的安いことは大きな魅力ですね。
ニールワン(ポーラ)
ポーラが開発したシワの改善成分で、「リンクルショット」として販売されている高級品かつ有名品。「リンクル(Wrinkle)」は「シワ」の意味ですが、多くのシワ改善化粧品・医薬部外品が「リンクル」を使用するのは、この有名・名品をベンチマークにしているから、かもしれませんね。
なお、ポーラが展開する新ブランドDECENCIAの薬用オイル状美容液に配合されている「Dリンクルアミド」は、ナイアンシンアミドと同一成分です。
純粋レチノール(資生堂)
資生堂がレチノール研究で、開発した成分で肌を保湿によって水分量を増加させ、硬くなってしまった肌を柔らかくすることで、シワを改善します。同社のヒット商品「エリクシール」で有名な成分です。
ナイアシンアミド
「ニールワン」はポーラ、「純粋レチノール」は資生堂、それぞれ独自研究で開発した成分であるのに対し、ナイアシンアミドは、化粧品各社が採用しはじめている成分です。そのため、ポーラ、資生堂の開発した成分に比較すると比較的安い傾向にあり、ナイアシンアミドを配合したシワ対策コスメは各化粧品メーカーの価格競争下にあります。
ただし、ナイアシンアミドは化粧品各社で呼び方が異なるなどの、ユーザーにとってはわかりにくい表記をしていることが見受けられます。それは、独自色や自社開発のイメージをアピールするためと考えられます。それは、原材料や成分表示の欄には、ナイアシンアミドと記載されているからわかるのです。広告PRの成分と取り扱い説明書の成分表示が一致しないのは、不親切ですね。
ナイアシンアミドは、ビタミンBの1種で「ニコチン酸アミド」とも呼ばれます。
紛らわしいことに、ナイアシン(ニコチン酸)とナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)があり、ナイアシンは、ナイアシンアミドを含めた総称で使用されることもあります。
また、さらにナイアシンは、「ビタミンB3」、あるいは「ビタミンPP」と呼ばれることもあります。
ナイアシンとナイアシンアミドの違いは、下記のとおりです。
ナイアシン(ニコチン酸)
ナイアシンは、別名ビタミンB群の1つで、二日酔い、肥満、糖尿、美肌、イライラ、うつ、冷え、花粉症、アレルギー改善、コレステロール抑制なとの働きが期待でき、そのため、各種サプリメントに配合されることも多い成分です。
一度にたくさん摂取したり、塗ったりした場合に「ナイアシンフラッシュ」という、皮膚が赤くなる反応が起きることがあるため、利用する際には注意が必要です。ただし、ナイアシンフラッシュ自体は、長くのこる、あるいは体に害がある現象ではなく、一時的とされています。
ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)
ナイアシンアミドは、肉類や生野菜などに多く含まれ、ナイアシンのようにコレステロールを下げる効果はないとされていますが、糖尿病の治療薬や内臓のアンチエイジング成分として注目されてきた成分です。
最近になってナイアシンアミドが血行を促進し、肌のターンオーバーを促進し、セラミドの合成を促して肌荒れを防ぐ、肌のバリア機能などの作用が注目され、研究の結果シワ改善への有効性が認められ、厚生労働省の承認を得るに至りました。ナイアシンに見られるナイアシンフラッシュは、ナイアシンアミドにはありません。その点でも安心です。
厚生労働省の承認はなくとも、有効性のエビデンスを示すガイドライン
日本化粧品学会は化粧品機能評価法ガイドラインを策定していて、シワ改善についても「抗シワ効能評価試験ガイドライン」を策定しています。厚生労働省の承認が無くとも、このガイドラインをクリアしている商品は、効果についてエビデンスがあると考えられます。
日本香粧品学会「化粧品機能評価法ガイドライ」(抗シワ製品評価について)
現在の「シワ改善」商品の販売競争「リンクル商戦」は、ナイアシンアミド対決の様相
先に記載した通り、ナイアシンは、ビタミンPPとも呼ばれ、ナイアシンアミドを含めた総称でもあります。ナイアシンまたはナイアシンアミドを配合した商品は、下記のとおり多くあります。中には価格について「一物二価」の問題があると思われる商品もありますので、そのあたりもご紹介します。
ORBIS(オルビス) 「リンクルホワイトエッセンス 」
今回、ご紹介する商品の中でもブランド力と販売実績、コスパ等の比較において上位にランクされるアイテムと思われます。
オルビスでは、ナイアシンアミドを「W ナイアシン」と呼んでおり、Wとはシワ改善と美白(シミ・ソバカスを防ぐ)の意味。
シワ改善・美白薬用アイテムで30gの容量は競争力あり、コスパ面を評価する口コミも多いアイテムです。
顔全体に使用することで、目に見えているシワはもちろん、自分では気づきにくいシワにも効果を発揮し、顔全体に広がるシミ・ソバカスを予防します。
お試ししやすいトライアルキット(7日分・980円)も用意されています。
ふわふわ抗菌タオル付(笑!)
下記リンクより「オルビスUシリーズ」のトライアルキットがご確認いただけます。
オルビスユー
ハーリス・ラップリフトクリーム
シワ・シミ対策のナイアシンアミド配合クリーム・ジェルでは、後発商品であるぶん、他社商品との差別化、競争を意識した商品となっています。
詳細は、こちらにまとめました。☞ハーリス・ラップリフトの効果<ナイアンシンアミド&プレテオグリカン>の口コミは?
20日間の返金保証がついているので安心してお試しできます。
パーフェクトワン「薬用リンクルストレッチジェル」
詳細は下記リンクでご確認ください。
パーフェクトワン「リンクルストレッチジェル」
商品名の「リンクルストレッチジェル」は、「しわを伸ばすジェル」の意味で、そのまんまです(笑。
有効成分の表記を「ビタミンPP」としており、ナイアシンなのかナイアシンアミドのいずれかです。(WEBLIO辞書によれば、ナイアシンです。)いずれにせよ、抗シワ製品評価ガイドラインをクリアしている商品なので、その効果については期待ができそうです。
価格は、日経新聞の全面広告では、特別価格5,720円となっていました。
ところがネット販売では、定期コースの初回は3,575円、ただし、2回目以降は6,435円、定期購入は3回目までは解約できない仕組みであり、3回目までの合計金額は16,445円、1回平均は5,481円となります。いわゆる初回限定商法です。
ただし、肌に合わない場合は、ご相談ください、と記載あるものの、その場合は1回目で解約に応じるとも書いてないので、不安ですね。この手の定期コースはユーザーとのトラブルが増えている中で、今もこの販売手法がとられていることは、ちょっと疑問ですね。
世田谷自然食品「SEAC リンクルクリーム」
詳細は下記リンクでご確認ください。
世田谷自然食品リンクルクリーム
有効成分は「浸透型シワナイアシンW」と表記されていますが、*印の注意書きで、それがナイアシンアミドであることも記載があります。差別化を図るためか、「ナイアシンアミド」の表記を避ける傾向があるように感じられます。いずれにしてもナイアシンアミドを有効成分として、効能評価試験済み商品であり、効果には期待できそうです。
価格面でも優位性あり、初回限定(1ヶ月分)送料無料で1,100円。2回目以降は2カ月分8,800円(1月分換算は4,400円)。
お試しは、1,100円で済み、気に入ったら、1ヶ月4,400円で継続使用できる、コスト面では優位に感じますね。
RF28Wエフェクトアイクリーム
これが、ナイアシンアミドのシワ対策クリームの草分け商品。RF28のブランド力もあり、今年2月の発売以来大ヒットしています。各メーカーがこれを追っている状態と見られます。
RF28 Wエフェクトアイクリーム新発売*シワ、シミ、くすみにナイアシンアミドが効くって。。
詳細は下記リンクでご確認ください。
【RF28 Wエフェクト アイクリーム】
有効成分は、ナイアシンアミド。
シワのみならず、「シミ」にも1本でWアプローチする薬用アイクリーム。
コスト面では、上記の世田谷自然食品の「リンクルクリーム」には勝てませんが、
ハトムギ発酵エキスやホワイトフラワーエキスなど、ハリツヤサポート成分も厳選配合しています。
コスト面は、他社の廉価品が多く出てきた現在では、やや高め?
初回限定3,300円、2回目以降は5,940円。
初回のみで解約OKなので安心です。
お試ししやすい点は、パーフェクトワンより有利でしょう。
【RF28 Wエフェクト アイクリーム】
シンピスト・オールインワンジェル
ナイアシンアミドを主成分としてオールインワンジェルで、三相乳化技術と形状復元ジェルの処方により、圧倒的な浸透力を実現した画期的商品。
先行発売時は、わずか58秒で完売となり、話題となった商品です。発売したばかり(2021年8月)ですが、今後爆売れすると思われます。1本8役でコスパ最高です。
シンピスト・医薬部外品オールインワンジェル。その浸透力がスゴイ
ノビレホワイト薬用オールインワンゲル
ナイアシンアミドを主成分とし、美白効果のあるアルブチンも配合したオールインゲルです。
たっぷり60gの容量で、こちらも非常にコスパの良い商品です。
【ノビレホワイト】抜群のコスパでシワ・シミを改善するオールインワンゲル
ナイアシンアミド配合の「シワ改善・美白クリーム」は大人気
ナイアシンアミドのスキンケア効果をねらった薬用化粧品は、大人気で販売競争も激しくなっています。
まとめ
「薬用リンクル」と称されるシワ・シミ対策クリームは、独自成分を展開してきたポーラ・資生堂を除くと、「ナイアシンアミド」の販売合戦です。ポーラもリンクルショットとは別にナイアシンアミドを主成分としたアイクリームに参入するほど激戦になっています。ナイアシンアミドの効果は、厚生労働省承認のうらづけがあり、安心して使用できます。ただし、パーフェクトワンでご説明した初回限定商法には、ご注意ください。
おすすめは、販売実績が厚くコスパも良いオルビス、RF28、あるいはコスパが非常に良いノビレホワイト(オ-ルインワンゲル)かな、と思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よいコスメアイテムが見つかることを願っています。